シャーシャー猫から家ネコへ

シーちゃんが我が家の娘になったのは、彼女を預かり始めてから1年経ったころだったが、ゴエ門との関係は非常にいいのに対して、ニンゲンとの関係はまだまだノラ猫VS餌やりさん状態で。。。 とにかく、なにかっちゃあ、ニンゲンの姿を見ると走って逃げていく生活が続いた。うちに来てからの半年間はシーちゃんの姿を見たことがなかった(家のどこかに潜んでいて絶対に姿を見せない)し、トイレも食事もニンゲンが居ないときか寝静まってから行動していた。
うちで引き取ってもいいかな・・・と考え始めたころ(ゴエ門と一緒によそへ預けに出したとき)には触れるようにもなっていたし、上手にコミュニケーションが取れていれば、ほんのちょっとだけ抱っこもできた。我が家での成長ぶりを保護主さんに話すと「わぁ、大進歩だわ。シーちゃんの兄妹たちも頑張っているけど、触るのもまだまだ難しくて人慣れしないし・・・」と、返事が返ってきていた。
シーちゃんがニンゲン慣れしてくれるようになったのは、ゴエ門の影響がかなり大きい。シーちゃんは学習能力に長けていて、ゴエ門が私の腕の中で肉球チュウチュウをしていると「あれは気持ちのいいことなのか?」と思うのだろう。ゴエが肉球チュウチュウに夢中になっている間だけは、そばに来て「私も撫で撫でしてぇ〜」と鳴いて寄ってくるようになった。ご飯どき、ゴエ門がワーワー叫んでいると食べ物が出てくるのを見て学習したのか、お腹が空くとニャーニャー・・・少し離れたところから催促鳴きをするようにもなった。
ノラ猫の生態に詳しい友人の話しによれば、猫科の野生動物は鳴くと自分の居場所を敵に知らせることになるので無駄には鳴かないので、ノラ猫も無駄に鳴いたりしないそうだ。・・・そういえば、シーちゃんはお預かり当初から威嚇してシャーシャー言うことはあっても、ニンゲンに何かを要求するためにおしゃべりするような子ではなかった。なのに、今ではものすごいおしゃべり猫になっている。
また、たま〜に家の中のものを荒らしてニンゲンに叱られると、ケージの中に逃げて行きギャオギャオ逆切れするのだが、逆上しているシーちゃんを諭しにやってくるゴエ門の言うことだけはちゃんと聞いて大人しくなるのだ。そういうときはゴエがシーちゃんの首のあたりをウガガガ・・・と噛み付いて何かを教え込んでいる。あれは完全にニンゲンの代わりに摂関している姿だと思う。おかげで私は無駄な労力を使わずに済むし、私の言うことをきかなくても、とりあえずゴエ門のいうことをきいてくれていればそれで良しとしよう・・・と思った。
かくして、スーパーワイルド不良猫シーちゃんの”家ネコ教育”はゴエ門のおかげでそれなりに家ネコっぽくなりつつある。今後は元ノラ・シャーシャー猫・シーちゃんあらため、ゴエ門の妹・しーちゃん(本名:しずか)と呼ぶことにする。